どれほど好きかと言われても
帰る、と言った先輩を追いかければ、案の定先輩は他校の男子に絡まれていた。

先輩の華奢な腕を掴んで、男子は「いいじゃん、遊ぼうよ」とかなんとか言っている。


…汚い手で先輩に触んなよ。その腕に触れていいのは俺だけなんだけど。

一歩一歩近づくたびに、ふつふつと怒りが湧いてくる。


「はあ?遊ぶわけないじゃん、ってか離して!」


つーか、先輩も先輩でなんでいつもこういう目に遭ってるわけ?

何回もこういう目に遭ってるくせに、自分がモテるってもうちょっと警戒してくれない?


ほんと、むかつく。


この状況全部、むかつく。



「むかつくんだけど」



思った言葉は口から出ていた。



「触んないでくれる?そんな汚い手で」



先輩の腕を掴む男子生徒の手首を掴み上げると男は痛みに悲鳴をあげた。
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