しあわせのプレゼント




「────好きです。付き合って、ほしい」



中二の冬、私にそう告げてくれた。




夢かなと思った。


私も凌也くんのことが、好きだった。

多分、誰よりも。


けど私はそんな柄じゃないからって、



「……はい」



それだけしか答えられなかったんだ。



────本当は今でも、そんな柄じゃないと思ってる。




「好きだ」なんて、口にしたことは一度だってない。


今までで、一度も。








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