しあわせのプレゼント




────最低だと、私も思う。



手を繋いでくれたのも、キスをしてくれたのも、全部凌也くんからだった。


そんな愛情表現をしてくれる凌也くんに、私は何も返せていない。


情けないと思う。


それなのに



「あ、でももしカコちゃんと用あったら全然断っていいからね!」


「……ううん、いいよ。大丈夫」


度胸もない。



こんな女、どうして凌也くんは手を引かないんだろう。





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