しあわせのプレゼント
「恋愛というか」
────凌也くん主義では、あるかもしれません。
ここは一応教室なので、自重して小声で言う。
と、恋愛話の大好きな里依(りい)と舞耶(まや)ちゃんはきらきらと目を輝かせた。
「きゃー!カコ可愛いっ」
「恋する乙女じゃん!」
「いやいや…もうほとんど家族感覚だから、」
ラブラブではないよ、と言うつもりで開いた口が
誰かの手によって塞がれた。
「へーえ、家族感覚なんだ?」
にやりとした声に熱がこもっていて、顔が熱くなる。
「りょーひゃくん」
口が動かしにくい。目で訴えると、凌也くんは手を離した。