しあわせのプレゼント
「…どこから聞いてたの」
「いや、いまいま。家族感覚ってとこだけ」
────そんなわけがない。
そこだけを聞いて凌也くんの話をしてるなんて、分かるものではないだろう。
しかも、目逸らしてるし。
今まで指摘したこともあるのに、なぜ気付かないのか、嘘をつくと目をそらす癖。
……まあ照れてくれてるならいいか。
“凌也くん主義”
────いや、全然だめだった。流石に恥ずかしい。
「……ちょっと、お手洗い行ってくる」
赤く染まった頬を冷ますかのように、走った。