不合理なオフィスラブ 〜嫌いな同期との攻防戦〜

間近で天宮の鼓動や息づかいを感じて、胸の奥が切なく鳴いた。


ねぇ、なんで私のこと抱いたの?


数時間前まであんなに密着してたのに、気持ちの見えない不安が募る。


散々いたぶられて、甘く切ない痛みを刻み込んだというのに、伸ばせば手が届く距離にいる天宮がとても遠くに感じられた。


それはまるで、儚くて脆い私たちの関係を表しているかのように思えた。


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