不合理なオフィスラブ 〜嫌いな同期との攻防戦〜
「高下さ……時と場所を慎めよ」
和香を溺愛する高下さんのその姿に驚いて、すっかりヤツの存在を忘れてたよ……。
一呼吸おいて、振り返る。
不機嫌さを漂わせたヤツの表情は“ここから出るぞ”と目で訴えていた。
その仕草に、無視なんてできるはずもなく。
ここは会社だからと自分に言い聞かせながら、高下さんに会釈をすると、私達の存在を忘れてふたりの世界にひたっている和香を残して屋上を後にした。