不合理なオフィスラブ 〜嫌いな同期との攻防戦〜

一瞬ムカッとして、食べ終えたマフィンの包装紙をグシャと握り潰せば、汚ないものでも見るような目つきをこちらに向けた。



「きたねえな!」


「はあ?なんですって!!」


「騒々しいやつ。他の乗客に迷惑だろ」



そう注意され振り上げた拳は行き場を失い、私の声で振り向いた乗客にすみませんとお辞儀をして、口唇を堅く閉ざし座席に深く腰を下ろした。


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