優しい雨 ~一年後の再会~
文化祭 その後
文化祭は盛り上がりを見せ、演劇部の舞台も無事に終わりを告げた。
在校生の声援の中、カーテンコールで舞台の中央に立つ智博の姿は柚莉花が今まで見た中で一番の輝きを放っているように感じた。
「すごいですね」
舞台のソデで隣に立つ蒼に呟く。
「えぇ。でも、もっと上に行きますよ」
確信に満ちた言葉は聴いていて妙に心地よかった。
ふと、舞台の上の智博と視線が合い、彼が手招きをする。
「?」
「どうぞ、裏方紹介ですよ」
蒼に促され舞台に足を踏み入れ、智博に引っ張られて中央に立たされる。
「文芸部、原作シナリオ担当、遠山柚莉花さん」
マイクを持った智博によって紹介されたので軽く頭を下げた。
そして、
「俺のだから。手、出すなよ!」
繋いだ手を強調するように手を挙げて、マイクを通して宣言される。
どよどよと会場がざわめく仲、智博は平然と野次馬の言葉に対応している。
呆然としている柚莉花に、
「お疲れ様」
と桜が笑顔を見せる。
舞台ソデにいる蒼の笑みも目に留まり、演劇部の計画であるワナに引っかかったのだと気付いた。
在校生の声援の中、カーテンコールで舞台の中央に立つ智博の姿は柚莉花が今まで見た中で一番の輝きを放っているように感じた。
「すごいですね」
舞台のソデで隣に立つ蒼に呟く。
「えぇ。でも、もっと上に行きますよ」
確信に満ちた言葉は聴いていて妙に心地よかった。
ふと、舞台の上の智博と視線が合い、彼が手招きをする。
「?」
「どうぞ、裏方紹介ですよ」
蒼に促され舞台に足を踏み入れ、智博に引っ張られて中央に立たされる。
「文芸部、原作シナリオ担当、遠山柚莉花さん」
マイクを持った智博によって紹介されたので軽く頭を下げた。
そして、
「俺のだから。手、出すなよ!」
繋いだ手を強調するように手を挙げて、マイクを通して宣言される。
どよどよと会場がざわめく仲、智博は平然と野次馬の言葉に対応している。
呆然としている柚莉花に、
「お疲れ様」
と桜が笑顔を見せる。
舞台ソデにいる蒼の笑みも目に留まり、演劇部の計画であるワナに引っかかったのだと気付いた。