俺の彼女がドルヲタだなんて知らなかったんです!?
電車を降りると、駅のホームはありえないくらいの混みようだった。
日曜とはいえ、まさかこんなに混むなんて。
今日は何かイベントでもあるのか?
せっかくのデートで激混みとは...。
まぁいい。
これは神がくれたチャンスだ。
人混みの中、はぐれないよう自然に手を握る俺。
『俺から離れんなよ』
とか言っちゃって?
彼女は俺にベタ惚れになるに違いない!
ふふふ、完璧な計画だ。
「美和、俺から離れ...」
「あー!!場所が無くなっちゃう!!
早く行かなきゃ!!
柊真くん、ちゃんとついてきてね!!」
小さな手で、それはそれは自然に握られて。
手を引かれて歩く俺たち。
美和、すげーな。
胸キュン。
...って、あれ?
なんかちがくね?
ま、いっか...。
...いてっ、肩ぶつかった。
...いてっ、足踏まれた。
...いてっ、みぞおちに肘鉄くらった。
...いってぇ!!
ガチめに腹パンされた!!
ちょっ、何なんだよこいつら!!
人混みに紛れてリンチすんな!!
絶対悪意あるだろ!!
何!?
手繋いでリア充オーラ全開だから!?
にしても当たり強すぎね!?
このままだと俺、爆弾仕掛けられるんじゃね!?