もう一人の住人~私が体験した怖い話~
そっと、ベットの木の柱を触ってみると何かが刺さってチクッとした。
血は出なかったが痛かった。
壁紙はテープのあとや画鋲の止めたあとらしき穴。
そして、壁自体も日に焼けたせいかくすんでいる。
部屋替えがあるにしても当分はここが私の部屋。
なんだか、これから置いていかれるさみしさがふと起こる。
私の家での自分の部屋は、綺麗ではないが落ち着く。
しかしここは、ベットについた薄いビニールの黄色いカーテンで仕切ったところ。
ベットの上しか私の居場所はない。
それでも、やっていくしかない。