幽霊と私の年の差恋愛
(溺れているのかな……)
美波は、全身の力を抜いてその空間に揺蕩った。
(ああ……もしかしたら、真糸さんの瞳の中に落ちたのかも……)
深い湖のように澄んだ、アッシュの瞳。そうだ、その中に囚われてしまったのかもしれない。
そう思えば、合点がいった。
(真糸さん……大好きです……)
アッシュの髪も、瞳も、白い肌も、知的な丸眼鏡も、挑発的に弧を描く口角もーーー。
(好き……大好きなの……)
最近知った、甘い香りも、唇の柔らかな感触もーーー。
(ずっと……ずっとずっと、そばに居たい……真糸さん……)