ご飯は皆が揃ったら。
『意味が分からず、否定の言葉も考えられずに黙り込む』という状態だけで判断したのか、クビを宣告されたのはあたしだった。
まさかの――いや、言い分を何も聞かずにこうされたこと自体、決まっていた展開だったのかもしれない。
飲み会で私が帰った後、男性陣に『生意気で、でしゃばった女』と噂されてたくらいだから。
『俺がフォローしといたけどぉ~』と説得力ゼロの顔で教えてくれたこの先輩が、次期チーフに代わるようだし。
そう、あたし以外からしたら、これで全てが丸く収まり結果オーライ。
むしろ望んでいた未来だったのだ。
「うっ・・」
本格的に泣きだしたあたしを友人たちが慰めながら自宅に送り、1人降ろされる。
走り去った車の中では呆れ返った言葉が飛び交ってるかもしれない。
一体どこでどうしたら、こんなことにはならなかったんだろう。
あたしのせいです、ごめんなさいって泣けば良かった?
チーフなんてあたしには荷が重いですぅ、と助けを求めてたら、未来は違った?
飲み会には最後まで残り、男のわがままも受け入れいろんな意味でのお世話もしてたら・・・