俺様アイドルはオタクなんです・・・
幸運の予感
おじさんが帰った後もなかなか興奮が冷めなかった。
どうしよう・・・
私がアイドルのお世話なんてできるのかな?
不安が襲ってくる。
今の給料の2倍だなんていうから調子にのって話を受けたけれど。
おじさんから聞いた情報によると来月、日本でデビューするらしく早々に
そのプロモーションに着手しなくてはいけなく
来週には日本に来日してしばらくこちらに拠点をおくらしい。
だから・・・・私も早々に辞表をだして
仕事を手伝ってほしいというものであった。
だから・・・明日には辞表を出そうと思っている。
さっき、一気に書き上げた辞表。
「これでいいんだよね?」って何度も自分に問いかけた。
おじさんから聞いた話では
そのアイドルグループは韓国ではすごく人気らしい。
歌にバラエティにドラマになんでもできるマルチタレントの集まりだとか。
8人組らしい。
一人だけ私と同い年の人がいるらしいけど
あとは年上みたいだし。
その中の二人を担当するらしい。
私のようにマネージャー兼家政婦のような仕事を日本でする人があと3人いるらしい。
どうしても1人が決まらなくて私のことを思い出して
おじさんは訪ねてきたらしい。
でも・・・正直、ちょうどよかった。
もう、今の生活にはうんざりしていたから。
新しい私の生活!!
友梨奈『寝れない!!』
興奮しすぎて寝れない・・・
ちょっと、どんなグループか気になるし
ここは検索してみないと。
机に座りパソコンを開く。
ホットミルクの入ったマグカップを隣に置き
おじさんに教えてもらった
そのアイドルグループの名前・・・・PSP・・・・
を打ち込み画面を見つめていると
その8人のアイドルグループのプロフィールが出ている。
韓国ではすごく人気らしく
日本のほうでも知っている人は結構いるみたいだった。
友梨奈『へ~、結構人気なんだ~どれどれ、どんなお顔をしてるのかな。』
なんて興味本位で画像を見ると
8人とも個性的だった。
モデルのように長身ですらっとしている人もいれば
まるで少年のようにかわいらしい人もいた。
私はある一人の人に目がとまる。
ユン・・・ジュノ・・・
すごく綺麗な顔立ちをしている。
本当にこれがイケメンってやつなんだろうな。
やばい・・・こんなイケメンが担当だったらどうしよう!!
すっかりイケメンに心奪われてしまう。
毎日、ドキドキして仕事にならなさそうなんだけど。
そのまますっかりその人に心奪われてしまい
私はパソコンにかじりついたまま
彼のことを検索し続けた・・・
そしてそのまま・・・
パソコンの前で眠ってしまう。
こんなこと初めてだった。
ーーーーーーー
PPPPPPP
大きな目覚ましの音で目が覚める。
友梨奈『ん・・・あ?』
顔を上げるとカーテンの隙間から光が差し込んでくる。
まぶしい・・・
友梨奈『ウソ・・・寝ちゃったの・・・・』
画面にはしっかり彼の顔が・・・いつの間にかトップページに保存したの?
そんな寝ぼけ眼で私はゆっくり椅子から立ち上がる。
今日は大切な日。
いつもよりきちんとした服装で
髪もメイクも丁寧にする。
今日が私の運命を変える日なんだから・・・
そんな気持ちで玄関のドアを開けて
会社に向かう。
いつもとは違う景色のように感じる電車の中。
毎日、この満員電車の通勤で苦痛で仕方なかったのに
さらに会社での仕事もあるしで
本当に嫌になっていた仕事。
けれどそんな生活とも終わりなんだなって思うと
すごく感無量だった。
会社に着き・・・朝の軽いオフィスの掃除をして
すぐに上司のもとに向かった。
友梨奈『部長・・・お話があります。』
朝刊を見ながら優雅にコーヒータイムの部長に話しかける。
今なら少しご機嫌だから大丈夫かな・・・?
そう思いながら。
部長『おはよう。何かな?』
朝刊から少しだけ目線をこちらに移す部長。
友梨奈『大変申し訳ありませんが、早々に退職させていただきたいです。』
部長『ん?退職?何かあった?』
私の言葉に驚く部長。
きっと、地味で真面目な私が辞めるなんて思わなかったんだろうな。
友梨奈『実は・・・叔父の仕事を手伝うことになり早々に仕事をしなくてはいけなくなって』
部長『そうか・・・そういうことなら仕方ないな。なるべく早く引継ぎをしてスムーズに退職できるようにしといてくれるかな?期間は少しだけ上と相談するから。』
友梨奈『もし・・・早々にできない場合・・・有給休暇を使わせていただいていいでしょうか?』
ずっと、とれずにいた有給休暇・・・
この機会につかって辞めよう!
そう決心していた。
私の退職はあっという間に引継ぎも終わって
私の会社員生活は終わりを迎えようとしていた。