恋人期間0日

さて、どうしよう。

親に連絡……は、激怒される。

亮には……言えない。あれから、何度か連絡はとっているけれど。

親友の理花に電話をかける。
彼女は唯一私が亮に抱かれたことを知っている。
私が亮を好きだったことも。

今の状況を誰かに聞いてほしかった。


「もしもし、奈々美?どうしたの?」
「理花…私、赤ちゃんできてた。」

少しの沈黙。

「え?!うそ。」
「ほんと。」
「相手は、原田だよね?」
「うん。」
彼以外としてないし。

「あいつ、最っ低!!あり得ない!!」
「気づかなかった私もバカだよね。」
自嘲気味に嗤う。

「奈々美、大丈夫?」
「うん。」
「原田には言った?」
「言ってない。言えない。」
「どうして?!男の責任とらせなよ!!」

そうだよね。そう思うよね。

彼ならきっと、責任を取ると言ってくれる。
例え、相手がどうでもいい女だとしても。
どんなに迷惑だと思っていても。

でも、そこに愛はなくて。

責任感だけで、私の側に縛り付けることはしたくない。
それに、、
愛されないまま近くにいるなんて、きっと私が耐えられない。
私は彼が好きだから。

こんな状況なのに、亮を責める気にはなれなかった。
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