Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「咲誇さん」
全員いなくなったはずなのに、声が聞こえた。
顔を上げると、そこにいたのは奈緒。
流れたマスカラの跡をくっきりと残しながら、可愛らしく微笑んでいる。
「ごめんなさぁい。悪く思わないでね?」
「なに、が...?」
「やだなぁ、この写真ですよー!」
目の前に落ちている写真を、奈緒がグシャリと踏みつける。
彼女はとても楽しそうに笑う。
しばらく呆然としていた私の頭が、徐々に働き始める。
...まさか。
「この写真...奈緒がやったの...?」
「そうですよ?
あ、正確に言えば、あたしが他の子に指示して撮らせたんですけどねっ!」
砂嵐だった視界が、一瞬暗くなる。
奈緒が撮らせた...?
じゃあ、これは全部、奈緒の自作自演?
泣いていたのもウソ?
髪の毛をボサボサにしたもの、私が奈緒をいじめていたと信じ込ませるため...?