Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
○交流遠足〈後編〉
この日、私が発見したこと。
それは、登山はとても体力がいるってこと。
「もう動けないぃぃ...」
そう言って道のド真ん中でへばっているのは、私じゃない。
言っておくけど、私、体力には自信があるよ。
歩き始めてわずか1キロでダウンしたのは、真浩。
小柄で華奢な彼は、体力も女子並みらしい。
真浩の隣を歩いていた赤髪の彼が、呆れ顔で振り返る。
「真浩、何してんだ。行くぞ」
「あゆむ〜...助けてよぉ〜」
「お前を抱えて登れるほど鍛えてねぇよ」
「むー。歩の意地悪〜」
「ったく...そんなんだから諒真先輩に置いてかれんだろーが」
ブツブツ文句を言いながらも引き返してきた歩は、真浩に背を向けながらしゃがみこんだ。
このポーズは、まさか...?
「3秒以内に乗れ。じゃないと置いてく」
「乗る乗るー!!」
私の予想は大当たり。
真浩を背中に乗せ、軽々と立ち上がった歩。
スタスタと山道を歩いていった。
いやいや、充分鍛えてるじゃないですか...。
歩も、真浩限定ですごく優しいよね。
特別な友情があるって感じ。
さすがに、友情以上のモノはないと思うけど...。