Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



「咲誇ちゃん、売店行くの?」


「え、うん」


「じゃあ僕も行こっと!お腹すいたもん」




真浩がそう言うと、歩も立ち上がった。


圭太に頼まれている以上、ゲームよりそっちのほうが大事みたい。


蓮央も行くのかな...。


チラリと見ると、零羅さんや圭太と遊んでいた。


その顔は、とても楽しそうで。


割り込むには申し訳ないくらいだった。



...蓮央と零羅さん、幼なじみなんだっけ。

だから仲がいいんだっけ。


ふーん...。



ま、いっか。


私には関係ない事っ!!




「歩、行こっか...」




少し離れたところにいる歩を呼ぼうとした時。


私は、見てしまった。



歩が...あの3人を、切なげな顔で見つめているのを。



...やっぱり。

歩が好きな人は、零羅さんなんだね。


圭太の彼女の、零羅さん。


きっと、歩も本気で好きなんだと思う。


だからこそこうやって見つめて、でも、何もしない。


あの二人の幸せは自分が壊していいものじゃないって、分かってるからだよね...。


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