Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「何でそんなこと...!!
翠斗に今すぐ本当のことを話して!!」
「イヤですよ。
咲誇さんが邪魔だからわざわざこんなことやったのに、話すわけないじゃないですかぁ」
「っ...じゃあ私から言うから!!
奈緒が仕組んだことだって言うからね!!」
「お好きにどうぞ?
ちなみに言っときますけど、翠斗さんの次の彼女、あたしなので」
...え?
つぎの彼女が、奈緒...?
うそだ...
そんなのありえない。
奈緒が翠斗の彼女だなんて...!!
「泣きながら『守ってください〜』って言ったら即オーケーでしたよ。
案外簡単なんですね、咲誇さんの元カレ」
奈緒はクスクス笑いながら、私を見下ろす。
...すでに私は何も感じなくなっていた。
今すぐ奈緒に掴みかかれたらいいのに、脳が指令を出してくれない。
ただ地面に座り、話を聞いているだけ。
「...ってことなので。
せいぜい〝裏切り者〟として頑張って生きてくださいね?
咲誇さんの跡を継いであたしも頑張ります!!
...ではサヨウナラ、元姫さん♪」
そう言って踵を返した奈緒は、翠斗たちのあとを追って屋上から出ていった。