Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
目を開けると、赤や黄色の景色が目に入った。
ぼうっとしてそれを見上げる。
今、私がどこにいるのか理解したのは、少し経ってからだった。
「...変な夢」
起き上がると、見慣れない上着が私の身体にかけてあった。
ふわふわした黒の上着。
サイズは大きめ。
おかげであったかい。
これ、誰のだろう...?
誰かが着ていたような気はするけど...。
「目、覚めたか」
その声に振り向くと、歩が木にもたれてゲームをしていた。
さっきと比べて、格好が少し違っている。
たしか歩は黒の上着を...
......あ。
「これ、もしかして歩が...?」
「寒そうだったから」
「...ありがとう。見かけによらず優しいね」
「...褒めてんの?貶してんの?」
「褒めてる」
「そりゃどうも」
空はもう、オレンジ色に染まりかけていた。
長い間、寝ちゃってたんだな...。
そういえば真浩はどこに行ったんだろう?