Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「...遅いな」
「え?」
「散歩してくるって行ったっきり、真浩が戻ってこない」
「えぇ!?何でついて行かなかったの!?」
「女をここに置いていけるかよ」
歩はゲームを中断すると、私から上着を受け取り、華麗に羽織った。
無関心そうに見えて、案外紳士的...?
もっと愛想が良かったらモテるだろうに。
あ、言葉遣いを直すとなお良い。
性格と印象で損するタイプだな、歩。
あとそのゲーヲタっぷりもどうにか...
「おい、行くぞ」
突然立ち上がった歩は、ズカズカ進んでいく。
慌ててそのあとを追いかけるけど、速すぎて、小走りじゃないと追いつかない。
そんなに慌てて、どうしたんだろう...?
ぐるぐるとどこかを歩き回ること数分。
歩が、立ち止まった。
「...いた」
「えっ」
...本当だ。
ここから少し距離はあるけど、あの緑のふわふわヘアーは間違いなく真浩。
この山の中で見つけられるなんて、2人はテレパシーか何かで繋がってるのだろうか。
...でも、様子が変。
真浩が、男たちに囲まれてる...。