Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



...と、思ったけど。


歩は真浩をその場に放置し、私の方に歩いてきた。


そしてその場に座り込んでしまう。




「え...真浩はいいの?」


「いい。俺じゃ手がつけられない」


「はい?...もしかして諦めたの?私が真浩を連れてこようか?」


「やめとけ。
死にたくなければ、黙ってアレを見てろ」




は、はぁ...?

チンプンカンプンなんですけど?


でも歩はそこから動く気は無いようで、真浩もその場で俯いたまま動かない。


だ、大丈夫かなぁ...。

具合悪いのかな?


そんな真浩に近付いた男たちは、ニヤニヤしながら挑発を始める。




「どうした?可愛い顔のキミ。
仲間に見捨てられて、ビビってんの?」


「ははっ、やめとけよ〜」


「そうそう。そーんな可愛い子に泣かれたら、俺ら困っちゃうよ〜!」


「言えてんなー!!」


「......黙れ」




ゲラゲラと下品な笑い声が上がる中で、突然、地を這うような声が響いた。


ピタリ、と笑い声が止む。


だ、誰?

今の声、どこの誰ですか...?


キョロキョロと見回しても、私たちの他には誰もいなくて。


でも、確かに聞こえたのに...。




「大人しくしてやれば、調子乗ってんじゃねぇぞ?この雑魚どもが」




ほら、また。

ありえないくらい低い声。


この声の主はどこにいるの?




< 116 / 228 >

この作品をシェア

pagetop