Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
蓮央は左手の腕時計に目をやると、携帯を取り出して操作し始めた。
腕時計と照らし合わせながら何かしている。
そして、一言。
「...あと、5分か」
「は?」
「時間が無い。行くぞ、咲誇」
「えっ!?」
よく分からないまま手を引かれ、早足で歩かされる私。
圭太たちはいいのかな、と思って少し振り返ったけど、彼らは彼らで遊んでいた。
勝手に行って大丈夫かな...。
まぁ...蓮央だし、何とかなるか。
展望台を出て、どこかの裏道に入る。
裏道にしては妙に通路が整っていて、歩きやすかった。
そのままついていくと、出たのは見知らぬ広場。
柵も何も無くて、開けた空間がそこにあった。
...でも、何より驚いたのは、その景色。
夕焼けが反射した川の水は輝き、同じ色のモミジを浮かべていて。
そのなかに紛れるイチョウの葉がなんとも言えない風情をかもし出している。
展望台から見える景色なんて比べ物にならないくらい綺麗。
ちょうど、辺り一面が夕焼け色に染まる時間だったからかな。
あ、写真撮らなきゃ!!