Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
Third
○学校へ
──ピピピピッ、ピピピピッ...
鳴り止まない電子音に安眠を妨害され、目を開けた。
耳に入るのは、鳥の鳴き声。
カーテンの隙間からは朝日が差し込んでいる。
...いつもと変わらない朝。
まだピピピピッと鳴っていた目覚まし時計を止め、起き上がる。
リビングに行くと、蓮央がソファーに座ってテレビを見ていた。
これも、いつもと変わらない。
「おはよう、蓮央」
「...はよ。飯、食う?」
「うん」
蓮央が立ち上がり、私が座る。
彼が見ていたテレビ番組は、朝のニュースだった。
...暴走族の総長も、ニュースなんか見るんだ。
そんなイメージは全然ないけれど、蓮央のお父さんは財務大臣だし、本人も政治には一応興味があるのかもしれない。
「...咲誇、ちょっと話があるんだけどさ」
朝食を持ってきてくれた蓮央が、言いにくそうに口を開いた。
その顔で、交流遠足のときの彼を思い出す。
『...元カノと、来た』
彼はそう言った。
すごく悲しい顔をしながら。
まぁ...私は蓮央の今カノでもなければ元カノでもないし、関係ないといえば関係ないのだけれど。
それでもなぜか胸に引っかかるところがあって。
少し...ほんの少し、複雑に思ってしまった。
話って、その事なのかな...。