Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
無言で睨むと、二階堂はへラリと笑った。
「そんな怖い顔すんなよ。しばらく見なかったけど、どこに行ってたんだ?」
「...アンタには関係ない」
「ひでーなぁ。仮にも仲間だったのにさ〜」
コイツの一言一言が、私の心をえぐる。
仲間、だなんて。
どの口が言う。
私を追い出したのは、アンタらでしょ...?
殴りたい衝動を抑えながらも、私はただ二階堂を睨み続けた。
冷ややかな視線が返ってくる。
「...久しぶりに姿を現したかと思えば、ずいぶんと強気ですねぇ。いつの間にそんな度胸を身につけたのやら」
「うるさい。私に関わらないで」
「そうしたいところなんだけどさぁ、お前の方から〝俺ら〟に関わってくるじゃん」
「...は?」
「この俺が知らないとでも思ったか?
...世間を騒がせている〝黒薔薇〟さんよ」
...知られてたのか。
まぁ、当たり前といえば当たり前か...。
私が狙うのは【桜蘭】のメンバーだけだし、二階堂がそれについて調べるのもごく自然なこと。
でも、それを知られたところで何の問題もない。
コイツらの報復なんて怖くない。
私の肩を掴む二階堂の手を振り払うと、そいつはおかしそうに笑った。
「へー、すげぇキャラ変したな、お前。
何企んでるかは知らねぇけど、大人しくしといた方が身のためだぜ?」
「アンタに言われる筋合いはない」
「ふぅん。...あ、ついでに言っとく。
奈緒にまた手を出したら、殺すからな」
「...出すわけ、ないでしょ?」
「どうだか。
所詮裏切り者のお前は、信用ならねぇよ」
皮肉めいたことを言い残し、二階堂は去っていった。