Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
その後ろ姿が見えなくなってから、私は肺に溜まった空気を一気に吐き出した。
はぁ...。
やっぱり、怖い。
かつて仲間だった彼らと敵対して話すのは、疲れる。
ふと手を見ると、僅かに震えていた。
やっぱり、私はまだ弱いんだな...。
「裏切り者かぁ...」
顔を合わせるたび、そう罵倒される。
彼らに分かってもらおうなんていうつもりは全く無いけれど、それでも傷付く。
慣れないなぁ、こういうの。
「...あ、いた」
そんな声に顔を上げると、今度は派手髪の彼がいた。
真っ赤な髪。
切れ長で、少しつり上がった目。
寡黙そうな雰囲気。
そんな彼が、携帯を片手に立っていた。
「...歩?」
「蓮央さんに言われた。アンタが生徒玄関にいるだろうから、迎えに行けって」
「あ、そうなの...」
「そんなとこに突っ立ってねぇで、行くぞ」
くるりと方向転換し、歩はスタスタ行ってしまう。
慌てて後を追いかけて隣に並んだ。
よく見てみると、歩は、私より頭一つ分大きくて。
ゲームばっかしてるくせに背は高いんだな、なんて思ってしまった。