Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
──ドゴンッ!!!ガシャァァンッ!!
鈍い音が聞こえて、積み上げられていた机の山が崩れた。
それの下敷きになっているのは、一人の男。
...やってしまったんだね、歩。
「せっっっっかくファイナルステージまで行き着いたってのに...」
ゆらりと立ち上がった彼は、口元に狂気の笑みを浮かべているように見えた。
その異様なまでの殺気にたじろぐ男たち。
恐ろしいくらいの冷静さを保ちつつ、歩は粉々になったゲーム機を拾い上げた。
液晶もデータチップも、ただの破片と化している。
「ははっ...マジでありえねぇわ...」
「わ、わ、悪かったって...なっ...?」
「謝ったところでデータは返ってこねぇよ...」
「べ、弁償!!弁償するからさ!!」
「弁償ねぇ...。
これ、世界に4台しかない激レアかつプレミアムなモデルなんだけどなぁ...」
「...!!」
「殺されたくなけりゃ...今すぐ出てけよ」
歩にそう言われるまでもなく。
彼らは失神した仲間を連れ、足をバタつかせながら争うように出て行ってしまった。
私のことなんか眼中にナシ。