Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉




──ドゴンッ!!!ガシャァァンッ!!



鈍い音が聞こえて、積み上げられていた机の山が崩れた。


それの下敷きになっているのは、一人の男。


...やってしまったんだね、歩。




「せっっっっかくファイナルステージまで行き着いたってのに...」




ゆらりと立ち上がった彼は、口元に狂気の笑みを浮かべているように見えた。


その異様なまでの殺気にたじろぐ男たち。


恐ろしいくらいの冷静さを保ちつつ、歩は粉々になったゲーム機を拾い上げた。


液晶もデータチップも、ただの破片と化している。




「ははっ...マジでありえねぇわ...」


「わ、わ、悪かったって...なっ...?」


「謝ったところでデータは返ってこねぇよ...」


「べ、弁償!!弁償するからさ!!」


「弁償ねぇ...。
これ、世界に4台しかない激レアかつプレミアムなモデルなんだけどなぁ...」


「...!!」


「殺されたくなけりゃ...今すぐ出てけよ」




歩にそう言われるまでもなく。


彼らは失神した仲間を連れ、足をバタつかせながら争うように出て行ってしまった。


私のことなんか眼中にナシ。


< 140 / 228 >

この作品をシェア

pagetop