Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
追い出せたのは良かったけど...
歩の激レアかつプレミアムモデルのゲーム機が破壊されてしまった...。
なんか申し訳ない...。
私はゲーム機の残骸をつまみ上げている歩に近寄り、頭を下げた。
「歩...なんか、ごめん」
「あ?なにが?」
「何がって...それ、壊されたじゃん...」
「別にいい」
え、いいの?
でもさっき激怒してたよね?
男一人を瞬殺する程度にはお怒りでしたよね?
呆気に取られていると、歩はポケットの中から小さなメモリーカードを取り出した。
「アイツらがムダな話してる間に、俺のデータはコピーした。あのゲーム機も同じのが家にあと3台ある」
「えっ!?
でも、世界に4台しかないって言ってたよね!?」
「だから俺がその4台を所持してんだよ」
「...はぁ!?じゃあなんであんなに...」
「殴り合いとかめんどくせぇし。
脅せば逃げるだろうから、嘘ついた」
歩はいけしゃあしゃあと言ってのけ、次はパソコンを開いてゲームを始めてしまった。
...怖いなぁ、この人も。
私まで騙されたよ。
やっぱり、相当頭いいんだね。
「...てか、限定モデルを全部持ってるとか、歩の両親って何してる人なの...?」
「多少は名の知れたモデル」
「いや、その財力は多少どころじゃないよ...」
世界的に有名な人たちなんだろうな...。
【睡蓮】の人たちは個性的すぎて、頭がついて行かないよ...。