Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「...ここに、いて」
いつもの俺様な態度からは考えられないほど弱々しい彼。
肩を震わせて、私を見上げている。
どうしたんだろう...。
こんな蓮央、初めて見た。
どうすればいいのか分からなくて、なんとなく蓮央の隣に座った。
藍色の双眼が、薄暗い部屋の中で揺れている。
切なげに私を見つめて、そらさない。
...なんでそんな顔をするんだろう。
私、何かしたっけ...?
「あのー...蓮央?さっきからどうし...」
「俺は、どうすればいい...?」
どうしたの、と聞こうとしたとき。
蓮央がそれを遮った。
今にも消えてしまいそうなくらいの声で、私の手首を痛いくらい握りながらそう言った。
どうすれば、って...?
「分かんねぇ...俺には分かんねぇよ...」
「ね、ねぇ...何?どうしたの?」
「あのとき、心に誓ったはずなのに...。
それなのに...何でだよ、咲誇...」
...蓮央がおかしい。
ひとりでずっと何か言ってる。
酔ったから頭おかしくなったの?
これは精神科に行かせた方がいいかな...。