Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
...嫌だ。
何でこんなことするの。
頭ではそう思うのに、心臓はバクバクとものすごいスピードで脈打っていて。
蓮央のキスを受け入れてしまう自分もいた。
こんなの嫌なのに、そのはずなのに、どうしても激しく抵抗出来ない。
やめてほしい。
でも、続けてほしい。
頭と身体は真逆のことを求める。
自分の中の感情がぐちゃぐちゃに絡まって、全部ワケが分からなくなって、ただ涙がこぼれた。
ポタリ、とそれが落ちた瞬間、蓮央の唇が私から離れた。
遠ざかる銀色の糸を呆然と見つめる私。
少しの間沈黙が続いたあと、蓮央は俯いたままで私から手を離した。
「...ごめん」
それだけを、言って。
立ち上がった彼は、ベッドルームから去っていった。
その光景をまるで他人のように眺めながら、私はただ広いベッドに寝転がっていて。
白い天井をただぼんやりと見ていた。
何も考えられない。
頭の中がぐるぐるしてる。
胸がジクジク痛む。
...なんで、こんなことしたの。
私のこと、何とも思ってないくせに。
それだけが頭に浮かんだ。
どうしてそう思うのかは分からないし、何でこういう感情になるのかも分からない。
だけど...
「...あいつ、最低っ...」
さっきとは比べ物にならないほど流れ落ちる涙を、私は止めることができなかった。