Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「私っ...バカだなぁっ...」
何でこのタイミングで気付いちゃったんだろう。
もっと早ければ...
もしくはもっと遅ければ。
気付くのが〝今〟でなければ、こんな苦しい気持ちにはならなかったのに...。
鏡を見ると、泣きそうな顔の私がそこにいた。
やっぱり、顔がすごいことになってる。
冷やさなきゃ...。
タオルを冷たい水で濡らしていると、背後で扉の閉まる音がした。
蓮央が部屋から出ていったんだ。
どこに行くのかは知らない。
無意識に、ホッと胸を撫で下ろした。
...彼が出かけてくれて良かったと思う私は、ずるいのかな。
でも今はできれば顔を合わせたくない。
夜までに気持ちを整理しなきゃな...。
そう思いながら、腫れた目にタオルを当てた。