Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉




「私っ...バカだなぁっ...」




何でこのタイミングで気付いちゃったんだろう。


もっと早ければ...

もしくはもっと遅ければ。


気付くのが〝今〟でなければ、こんな苦しい気持ちにはならなかったのに...。


鏡を見ると、泣きそうな顔の私がそこにいた。


やっぱり、顔がすごいことになってる。


冷やさなきゃ...。


タオルを冷たい水で濡らしていると、背後で扉の閉まる音がした。


蓮央が部屋から出ていったんだ。

どこに行くのかは知らない。


無意識に、ホッと胸を撫で下ろした。


...彼が出かけてくれて良かったと思う私は、ずるいのかな。


でも今はできれば顔を合わせたくない。


夜までに気持ちを整理しなきゃな...。



そう思いながら、腫れた目にタオルを当てた。



< 151 / 228 >

この作品をシェア

pagetop