Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
...きっと蓮央は、秘密の話をしたくて。
だからこそこんな早朝に、圭太だけを呼び出した。
私はここにいちゃいけない。
それは分かってる。
...分かってるのに、足が動かない。
私のことが話題に上がった瞬間、鼓動が速まった。
ここから離れなきゃって思うのに、足が棒みたいに固まって...。
何してんの、私。
早く行かなきゃ...。
そう思う間にも、扉の向こうで話は進む。
「咲誇と何かあったのか?
...ってか、あったから来たんだよな」
「あぁ...。マジで俺、最低だと思う...」
「一体何したんだよ?」
「...無理やり、キスした」
「はぁ!?...マジかよ」
裏返る勢いで叫んだ圭太の声は、次の瞬間、呆れたようなものに変わる。
ソファーにドサリと寄りかかる音が聞こえた。
「お前なぁ...先走りすぎだろーが」
「分かってる...。けど、本当に限界だった。
気付いたらアイツが泣いてて...」
「あのことは話したのか?」
「...いや、まだ話してない」
〝あのこと〟...?
それって何?
蓮央は私に何かを隠しているの...?