Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
ドク、ドク、ドク...と脈打つ心臓。
熱い血が流れているはずなのに、体の芯からジワジワと冷えていく。
2人の会話の意味は、分からない。
だけど、なんとなく予想はついた。
蓮央は絵里って人と、ずっと前に別れてる。
だけど、彼女を忘れられないんだ。
好きで、好きで、好きで...。
諦めきれなかった。
それで...私を〝代わり〟として扱った。
それなら全部つじつまが合う。
蓮央が今まで女遊びをしなかったのも。
私がここに来たとき、圭太が驚いていたのも。
家に来い、住めよって言われたのも。
元カノとの想い出の場に行ったのも。
元カノの制服を着させたのも。
全ては、私を『絵里』として見ていたから。
それしか考えられない...。
だから、キスしたことも『忘れて』って言ったんだね。
代わりとはいえども、さすがに他の女にキスするのは耐えられないもんね。
私はただの身代わりだった。
彼は、私のことなんか好きじゃなかった。
ははっ...
なーんだ、そういうことか...。