Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
...これは罰なんだ。
【桜蘭】にあんなにひどく裏切られ、誰も信じないって決めてたはずなのに。
いとも簡単にその決意が崩れ、恋をしてしまった私への罰。
やっぱり...ダメなんだよ。
私は、誰も信じちゃいけなかったんだ。
誰からも必要とされていない私。
闇に呑まれ、憎しみの塊として生きていく他はない。
...これは聞かなかったことにしよう。
私は【桜蘭】に復讐するため、ここの姫でいなければならない。
だから、この話は聞いてないことにして。
またみんなの前で普通にしなきゃ...。
震える足で、一歩、二歩、後ずさる。
思ったより近くにあった手すりを掴み、それを頼りに階段を下りた。
目の前が涙で揺れる。
...泣くな。
泣いたらダメ。
私は強くならないといけない。
こんなことくらいで泣いてたら、ずっとずっと前に進めない。
ふらつく足を奮い立たせ、走って倉庫の出口に向かう。
重たい扉を、全身の力を使って開けた。