Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
そんなことを考えている間にも、アウターの前が開かれていく。
...嫌だっ!!
ほとんど動かない身体をばたつかせると、リーダーっぽい男がその手を止めた。
「...大人しくしとけよ。
こんなところで泣き疲れて寝ちゃってさ、どうせ彼氏に振られたんだろ?」
「っ、...!!」
「俺らが忘れさせてやるよ。なぁ?」
「ははっ、そうだなー!!」
...振られた?
違う、私は振られたんじゃない。
元からそういうんじゃなかった。
勝手に恋をして、勝手に失恋しただけ...。
なのに、男の言葉は胸に突き刺さって。
枯れたはずの涙が、また滲んだ。
...抵抗する気も、失せた。
もうどうでもいい。
やりたいならやればいい。
どうせ蓮央は、私自身のことは何とも思ってないんだから...。