Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
──ブォォン...
目を閉じた私の耳に、微かなバイクのエンジン音が聞こえてきた。
族車特有の爆音だ。
それが...こっちに近づいてくる。
「...なーにしてんだよ、お姫様」
バイク音が止んだと思ったら、 呆れ半分と言ったような声が響いた。
ハッとして目を開く。
声の方に顔を向けた私の目に飛び込んできたのは、暗闇でも輝くプラチナブロンドヘアーだった。
「待ってたのに来ねぇから、この俺が迎えに来てやったぞ」
「...北、苑...?」
「当たり。つーか何、このヤンキー共」
北苑がそう言うと、私の上に乗っていた男はビクリと肩を震わせた。
その目は驚きに満ちている。
「お前っ...まさか、北苑海利...!?」
「だからそうだっつってんだろーが。二回も言わせんな、能無し」
「っ...」
「そんなことより、テメーら、俺のお客様に何してくれてんだよ。殺されてぇのか?」
「客だと...!?」
「あぁ、ここで待ち合わせしてたんだよ。
なのにそんな汚ねぇ手で触りやがって、死にたくねぇならとっとと失せろや!!」
「くそっ...!!」
悔しそうに舌打ちをし、男たちは私から離れてどこかへ走っていった。