Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



カチリと音がしたあと、私から少し離れた場所で、ライターの火が北苑を照らし出す。


はぁ、という心底呆れたようなため息が聞こえた。




「...お前さ、マジで何してんだ?」


「...わかんない...」


「ったく、今朝の強気はどこに行ったんだか...」




タバコの紫煙をゆっくりと吐き出した北苑。


動く気になれない私の手を掴んで、引き起こしてくれた。


そして私の隣に腰を下ろす。


その状態のままボーッと座っていると、北苑は痺れを切らしたように口を開いた。




「...何があったかは知らねぇけどよ。
その様子じゃ、蓮央からまだ〝あのこと〟は聞いてねぇみたいだな」


「...さっき聞いたよ」


「はっ?
それなのに、そんな魂抜けた顔してヤンキー共に身体差し出したのか?」


「だって、仕方ないじゃん...」




好きな人が...元カノの代わりに自分をそばに置いてたんだよ?

絶望的になるのも当たり前でしょ...。


私がそう言うと、北苑はワケが分からないという顔で首を傾げた。




「お前、何か勘違いしてねぇ?」


「...え?」


「まぁ、半分はお前の推測通りなんだけどよ。もう半分が誤解の嵐だぜ?」


「誤解...?それってどういう...?」


「あ、ちょっとストップ」




北苑に制止され、口を閉じる。


彼はなぜか口元に笑みをたたえていた。



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