Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉




「っ、げほぉっ!!?」




苦くて甘くて、辛くてしょっぱい。


意味の分からない味がするその物体は、飲み込むのがやっと。


ゴリゴリしてザクザクしてネバネバしてるから、喉にまとわりついて仕方ない。


ほとんど噛まずに丸飲みした。


はー...。

死ぬかと思った。


なに、なんなの、この物体。


恐ろしい劇薬なんだけど。


私の必死ぶりに若干引き気味なその場で、ただ1人、諒真さんだけがニコニコしていた。




「さっきー、俺の手作りクッキー食ってくれたんだな!!ちょー嬉しいわ!!」


「...手作り?諒真さんの?」


「そうそう。俺、こう見えて料理が得意でさ。定期的に作って、持ってくるんだよー」




...待って待って待って。


この劇薬のどこらへんが料理なの!?

調合の間違いじゃない!?


...うぇ。

口の中が気持ち悪い...。




「殺傷能力の高い劇薬をしれっと置いとくんじゃねーよ、諒真。
危うく咲誇が死ぬとこだったろうが」


「え、美味すぎて?そりゃあ悪いな!!」


「...咲誇、大丈夫か」


「ダメです」




ポジティブすぎる諒真さんをスルーした蓮央は、私を心配してくれてるみたいで。


変な後味が残る舌を出して首を振ると、彼にいきなり後頭部を掴まれた。


な、なんか...

目の奥が妖しく光ってるんですけど!?



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