Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
どんどん距離は縮まる。
そのことにすら気付かない男ども。
後ろで金髪が何かを言ってるけど、そんなの知らない。
とりあえず、一番近くにいた刈り上げの男にドロップキックをかました。
ドゴッ!!
鈍い音が響いて、男が吹っ飛ぶ。
その後ろにいた男たちも倒れ、ドミノ倒しになっていく。
着地した私は、深くかぶったフードがずれたのを直した。
「お、お前、何やってんだ!!」
金髪男が私の肩を掴んだ。
...触るな、汚らわしい。
男の腕をそのまま両手で握り、腰を低くして、思いっきり一本背負いしてやった。
受身を取る間もなく地面に叩きつけられた金髪男は、可哀想に気絶してしまった。
「総長はどいつ?」
群衆にそう問いかけると、奥の方から1人の男が進み出てきた。
あー、いかにも総長って感じね。
特攻服なんか着ちゃって。
そいつの顔をビシッと指さし、私は告げた。
「あんたのチームは今夜で終わり」
「は...?てめぇ、何言ってんだ?」
「こんな腐った族、今から潰してあげるよ」
「...はっ、やれるもんならやってみろよ。
お前ら、こいつをぶっ殺せ!!」
総長の指示で、いっせいに襲いかかってくる男たち。
たった一人に、数十人で相手するなんて。
腐った奴ら。