Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
頭を掴む手に力がこもって、グイッと蓮央のほうに押される。
何をされるか悟った私は、慌ててその胸を押し返した。
「ちょっと、何しようとしてんの!?」
「俺が責任をもってその味を引き受けてやろうとしてんだよ」
何の責任!?
どさくさに紛れてキスしようとしてるだけだよね!?
「いいい、いいっ!!遠慮しとく!!」
「遠慮すんな」
「してないからーーっ!!」
ていうか、みんな見てるし!!
恥ずかしいし!!
私から離れろーーっ!!
「大丈夫だ、咲誇。俺らは何も見てない」
「俺もなーんも見てないぜっ!!!」
「つーかそんなもん頼まれても見ねぇし」
「安心して続けていいよっ?」
ちょっと、みんな!!
なんでそんなにあたたかい目で見てんの!?
誰かこの人を止めて!!
こうしてる間にも近付いてくるんですが!!
もうクッキー(?)の味なんか忘れちゃったし、いらないんですけどっ!!
「...わかったよ、仕方ねぇな」
全力で抑えていたら、蓮央は諦めたように手を離してくれた。
良かった...
手を引いてくれた。
と、安心したのもつかの間。
「帰ったら覚えとけ。倍にしてやっから」
そう言ってニヤリと笑った彼を、思わずビンタしたくなった。