Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



諒真さんが幹部室を出ていくと、その場は一気にしずかになった。


さっきまでの騒がしさはまるでない。


蓮央も圭太も歩も真浩も...

急に真顔になって、目を伏せている。


...何かあるのかもしれない。


私の知らない、何かが。




「ねぇ、蓮央...」


「...あぁ」




私が声をかけると、蓮央は圭太たちのほうに視線を投げかけた。




「諒真のこと、咲誇に話してもいいか?」


「...つーか、話さなきゃいけないだろ。諒真も咲誇も、【睡蓮】の仲間だ」


「だな」


「諒真がいない今の方が話しやすいと思うし、いい機会じゃないか?」




彼がいないところで、彼の話をするの?


そんなこと...いいの?




「諒真は自分の親のことを絶対に話したがらない。俺らにだって...自分から話したことは無い。
でもこれは知っておくべき事実だ」




私の疑問を察したように、蓮央が言う。


あの諒真さんが自分の話をしたがらないなんて...想像できない。


そのくらい隠したいってこと?




「じゃあ何でみんなは知ってるの?」


「...それも順を追って話す。とにかく、これを知っても、諒真を見る目は変えないでほしい」


「そんなこと、絶対しないよ...」




彼にどんな事情があれ、諒真さんは諒真さん。


たしかにうるさくてウザくて子供っぽくて、手に負えない部分はあるけど、それ以上に仲間として大好き。


だから、何を知ったとしても、その意識は変わらないよ。



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