Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
次々と襲いかかる弱々しい攻撃をかわし、1人に1発ずつお見舞いする。
主に腹部を狙う。
一番ダメージが大きい部位だから。
それにしても...
弱すぎる暴走族だね。
誰一人として私に指一本触れられない。
見掛け倒しの男たちはすぐに倒れてしまい、あとは総長1人だけとなった。
真っ青な顔をして突っ立っている。
「残念だね。あんたで終わりだよ。
今度チームを結成するときは、もう少しマシな人間になってからにしなよ」
「お...お前は一体...何者だ!?」
「...知りたい?」
言いながら、パーカーのポケットの中から一輪の小さなバラを取り出す。
と言っても、情熱の赤いバラなんかじゃない。
──黒く、黒く
闇に染まったバラ。
まるで、私みたいにね...。
そのバラを見た総長は、驚きに顔を歪める。
「っ、まさかお前が...あの〝黒薔薇〟!?」
「ピンポーン。大正解」
一歩、二歩、目の前の男に近寄り。
バラを宙に放る。
総長の目がそれを追った...。
それが、命取りなんだよ。
右足で踏み切って、一気に距離を縮めた私は、パーカーのフードが飛ばないように押さえて。
「...バイバイ、腐れ外道」
男の顔に回し蹴りをクリーンヒットさせた。