Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「ニヤけてるところ悪いけど、少しやべぇことになってんぞ」
「へ?」
「さっきから【桜蘭】の様子が変だ」
言いながら、歩はパソコンの画面を怪訝な顔で睨んでいる。
様子が変って...どういうことだろう?
パソコンを覗き込むと、4分割された画面の右下では、たくさんの男たちが集まっているのが見えた。
その集団の前に立つのは...翠斗と二階堂。
...なんか、嫌な予感がする。
歩がサウンドをオンにすると、パソコンのスピーカーから音が漏れ始めた。
『...つーわけでよ。あの女、どうする?』
二階堂の声。
話しているのは私のことだとすぐ分かった。
隣にいる、金髪にピンクのメッシュを入れた翠斗が、不敵に笑った。
『...どうするって、お前の中で結論出てんじゃねーの?』
『あ、バレた?さすが翠斗だな』
『こんだけ人を集めておきながら何もしねぇわけないよな。どうせ襲撃でもするんだろ?』
『大当たり〜』
襲、撃...?
そこにいる男たちを使って、二階堂たちは私を潰そうとしてるってこと?
『居場所は掴んでんのか?』
『この時間は【睡蓮】の幹部一人と一緒に2階の空き教室にいる』
『そうか。じゃあ二人とも潰してこい』
その言葉に頷いた二階堂が、男たちに目で合図した。
彼らは一斉に散っていく。
そこまでを見届けたあと、歩はサウンドをオフにし、パソコンの画面を閉じた。