Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
──バァンッ!!!
歩が私を睨みつけた瞬間、教室のドアが叩きつけられるように開いた。
そこからゾロゾロと男たちが入ってくる。
彼らは【桜蘭】のメンバー。
でも、下っ端ではない。
幹部よりワンランク下の位置にいる、少しは腕っぷしの強い奴らだ。
それが30人ってところかな。
私たちの正面に立つリーダーっぽい男が、ニヤニヤしながら口を開いた。
「よぉ、【睡蓮】のお二人さん。こんなところで仲良く校内デートですかぁ?」
「冗談は顔だけにしろ」
「あ"ぁ!?殺すぞテメェ!!」
挑発をいとも簡単に歩に跳ね返され、逆上したリーダー。
感情的になりすぎ。
こういうのは冷静にならないと勝ち目はないのにね。
元々緩いネクタイをさらに緩めた歩は、制服の裾を優雅にまくる。
女子が見たらキャーキャー騒ぎそうなくらいサマになってる。
さすが、外見だけは王子なだけあるね。
歩は緊張感なくゆったりと支度を整え、少し目にかかる前髪をかきあげた。
「...で。やんのか?やんねぇのか?」
「っ、ぶっ殺せ!!」
リーダーの合図で、全員が一斉に攻撃してきた。
狭い教室で大人数と戦うとか、本当はやりたくないんだけどなぁ...。
まぁ仕方ない。
やられる前にやるしかない。