Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉



──バァンッ!!!



歩が私を睨みつけた瞬間、教室のドアが叩きつけられるように開いた。


そこからゾロゾロと男たちが入ってくる。


彼らは【桜蘭】のメンバー。


でも、下っ端ではない。

幹部よりワンランク下の位置にいる、少しは腕っぷしの強い奴らだ。


それが30人ってところかな。


私たちの正面に立つリーダーっぽい男が、ニヤニヤしながら口を開いた。




「よぉ、【睡蓮】のお二人さん。こんなところで仲良く校内デートですかぁ?」


「冗談は顔だけにしろ」


「あ"ぁ!?殺すぞテメェ!!」




挑発をいとも簡単に歩に跳ね返され、逆上したリーダー。


感情的になりすぎ。

こういうのは冷静にならないと勝ち目はないのにね。


元々緩いネクタイをさらに緩めた歩は、制服の裾を優雅にまくる。


女子が見たらキャーキャー騒ぎそうなくらいサマになってる。


さすが、外見だけは王子なだけあるね。


歩は緊張感なくゆったりと支度を整え、少し目にかかる前髪をかきあげた。




「...で。やんのか?やんねぇのか?」


「っ、ぶっ殺せ!!」




リーダーの合図で、全員が一斉に攻撃してきた。


狭い教室で大人数と戦うとか、本当はやりたくないんだけどなぁ...。


まぁ仕方ない。

やられる前にやるしかない。


< 193 / 228 >

この作品をシェア

pagetop