Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
背後は歩に任せ、前から殴りかかってきた男のパンチを手で受け止める。
腹に蹴りを入れると、後ろの奴らまでドミノ倒しになっていった。
それを眺めている間にも左右から来る。
まずは右。
突き出された拳をスレスレのところで避けて、その腕を掴む。
からの、ボディブロー。
呼吸困難になったそいつを左側に投げ飛ばし、2人ともまとめて退治。
多少手強いとはいえ、そこまで強くない。
この調子なら、あと少しでこっちは片付きそう。
「ねぇ歩、そっちは大丈夫?」
「......」
「歩?聞いてる?」
攻撃をかわしながら背後に目を向けると、なんと彼はヘッドホンを装着していた。
繰り出されるパンチの数々を華麗によけ、左手でウォークマンを操作。
お、音楽聴いてんの!?
そのくらい余裕ってことですか...。
さすがです、歩さん。
「てめぇ、舐めてんじゃねぇぞ!!」
「耳元でうるせぇんだよ。聴こえねぇ」
「がはっ...!?」
片足だけでヤンキーを一掃し、音楽鑑賞しながら次々に倒していく歩。
器用なんだかすごいんだか...。
とにかく、緊張感なさすぎ!!