Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
ものの10分程度で、ヤンキーたちは全員倒れて動かなくなった。
私も歩もほぼ無傷。
あー、疲れたぁ...。
さすがに体力がもたない。
狭いから、それなりに気を遣って動かなきゃいけないし。
立っているのも疲れて、私は床に座り込んだ。
疲労が2倍に感じる。
歩の額にも汗が滲んでいて、膝に手をついて呼吸を整えてる。
彼も座る...かと思いきや。
立ったままで汗を拭い、訝しげに眉をひそめた。
「...おかしい」
「え...?何が?」
「【桜蘭】の総長は、あの黒髪メッシュに『潰してこい』と命令してた。
...なのにどうして、アイツが来ない?」
...そうだ。
忘れていた。
二階堂は、普通の男じゃない。
恐ろしいくらいに頭が良くて、【桜蘭】のブレーンとして活躍してる。
そんな彼が、私たちを潰すために、こんな弱い奴らを送り込む?
...いや、そんなことは絶対にない。
あの男は何か狙いがあってコイツらを...。