Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
だけど、歩と二人なら勝てるかも。
...そんな期待は、二階堂の次の言葉によっていとも簡単に打ち砕かれる。
「あ、ちなみにさ、そこの赤髪にはあんま期待しない方がいいぞ?
さっきの一撃で利き腕は使いモンになんねぇだろうから」
「...え?」
歩の方を見ると、彼は右手を押さえて壁に寄りかかっていた。
その顔は苦痛に歪んでいる。
まさか、骨が折れた...?
「安心しな、別に折っちゃいねぇよ。
ただ...今日一日は動かないだろうけどな」
私の心の内を読み取ったかのようにそう言い、二階堂は薄く笑う。
...何が面白いっていうの。
卑怯な手ばかり使って、何が楽しい...!!
耐えきれなくなった私。
無意識に二階堂との距離を詰め、拳を振りかざした。
でもそれは容易く止められる。
ジャラジャラしたアクセサリーが邪魔くさい。
二階堂は私の拳を自分の手で受け止めたまま、楽しそうに喉を鳴らして笑う。
「女を殴るのはちょっと抵抗あるけど、お前は裏切り者だし、許容だよな?」
「...っ!!」
「頼むから意識飛ばすなよー」
引こうとしても、引けない。
でもこの男の拳は私が止められるようなものじゃない。
どうしても、男女の差ってやつが生まれてしまうから。
二階堂が右手を固く握った。
やられる...!!