Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
突如、ドタドタと走る足音が聞こえてきた。
それはこの教室に近づいてきているようで、どんどん音が大きくなる。
...もしかして、あの二人?
「さっきぃぃぃーーー!!!」
蹴破られた、私がいる方とは反対側のドア。
それは歩の数センチ手前に倒れた。
そんなことはお構い無しに、飛び込んできた銀髪の彼は、歩に抱きつく。
「さっきー!!大丈夫かぁぁ!!!」
「離せ変態。キモいんだよ」
「さっきーの口が悪くなってるぅぅ!!!
いったいアイツに何をされたんだァァ!!」
「眼科行け。精神科行け。あの世に行け」
「ひでぇ!!!諒真ちゃん悲しい!!
......って、何だよ、歩じゃねーかっ!!」
「だから離れろっつってんだよ」
「やだねっ!!歩ちゃん愛してるぅ!!」
「諒真さんダメー!!歩は僕のっ!!」
「...あー、吐きそ」
諒真さん、安定の騒がしさ...。
真浩まで加わって、もはやただの戯れ状態。
あまりの緊張感の無さに、二階堂も口元を引き攣らせている。
真浩が来た。
圭太も来た。
諒真さんも来た。
そして、残るは...
「──咲誇っ!!」
...彼だけだ。