Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「...本田咲誇」
低い声で、二階堂が私を呼ぶ。
その目は憎しみや怒りに満ちていて、私ですらゾッとした。
「俺がこのまま引き下がると思うか?
今回はしくじったが、次はお前のお仲間たちもそうはいかねぇぞ」
「ッ、何する気...!?」
「...さぁな、これからゆっくりと考える。
翠斗にも報告しなきゃいけないからな」
言いながら、靴を鳴らしてドアの方に歩いていく二階堂。
立ちはだかる諒真さんを静かに睨む。
でも諒真さんは一歩も動かず、蓮央の方に視線を向けた。
「...行かせろ、諒真」
「いいのかよ?」
「申し込んで断られたなら、『次回』までお預けにするしかないだろ」
「...分かった」
たしかに、ここで二階堂を全員で袋叩きなんかにしたら、アイツらと同類になる。
勝利は確定してるけど、自分たちの信念を曲げることは【睡蓮】の名を汚す。
だから蓮央は正式に申し込み、OKされたときにしか戦わない。
それが私たちのやり方。