Am I What Colors?ー元姫の復讐ー〈リメイク版〉
「...咲誇」
耳元で囁かれる低い声。
泣いている間に、いつの間にか彼に抱きしめられていた。
「お前はたしかに強くないかもしれない。
心に隙があるのは、俺も前から分かってた」
「ッ...」
「けど、俺がそれを埋めるから。
ずっと隣で守って、愛して、お前を傷付けた奴らなんか思い出せなくしてやる」
「...なんで、私なんかを守るの...?
こんな最低な女なのに...」
「最低?
...何言ってんだよ、咲誇は最高の女だろ」
私の顎を掴んだ蓮央の手によって、上を向かされる。
涙で霞む視界に青い髪が映った。
「...お前は、俺が見つけた最高の女。
嫌だ、別れたいって泣き喚いても、一生離さねぇから覚悟しとけよ?」
「ッ、蓮央...」
「愛してる、咲誇。
...お前に触れるのは俺だけでいい」
蓮央の手が、私の首筋に触れた。
伝わってくる指の冷たさに身体が跳ねて、真向かいに座る彼の服をギュッと握りしめた。
うぅ...。
恥ずかしくて蓮央の顔を見れない...。
「なぁ...こっち向いて?」
「え...んっ...」
顔を上げると、唇が塞がれた。
柔らかくてあたたかいそれは、この前と同じもの。
...でも、全然違う。
あのときの荒っぽさの欠けらも無い。
優しく、触れるだけのキスを何度も繰り返す。